【2012年01月20日】 タイトル: 研修医日記 Vol.184

 気づくとあっという間にむつでの2年間が過ぎようとしています。研修医日記も僕の担当は今回で最後になってしまいました。

 11月末からの1ヶ月間、僕は地域医療研修として東通村診療所で研修させて頂きました。診療所での研修で特に驚いたことは、病院での研修と比べて患者さんとの距離がとても近いことでした。指導医の先生は入院・外来を問わず患者さんの経過を把握していますが、普段、僕達研修医は主に病院に入院している患者さんを診ています。これまでの経過や入院中のことは把握していますが、退院した後どうしているかということはあまりわからないのが正直なところでした。外来も診ますが救急外来の担当日だけなので、患者さんとの関係はその場限りのものとなりがちで、その後の経過がわからないまま終わってしまうこともありました。

 東通村診療所での研修は、入院患者さんの主治医として治療に関わります。患者さんの退院後の外来や訪問診療も担当します。この他、ケアマネージャーさんや看護師さん、保健師さん理学療法士さんなどのさまざまな職種の方々との包括ケアカンファレンスで患者さんの情報を共有することで患者さんの状態の把握にも努めています。

 病院での研修と比べて、単に患者さんのとの関わりが近いというだけでなく、患者さんと医療者とのあいだの心理的な距離も近いように感じました。もちろん、むつ総合病院のような大きな病院も、患者さんの急性期を治療するという、地域の医療の中で重要な役割を担っています。しかし、患者さんとじっくり話をしたり、病院に来られない患者さんや、自宅での療養を希望する患者さんの自宅に訪問診療に行ったりということはなかなかできないのが実情です。東通村診療所の研修で地域に根付いた、かかりつけ医の重要性がわかったような気がしました。東通村診療所のみなさん、本当にお世話になりました。

 東通村診療所のあと、現在はむつ総合病院に戻り循環器科で研修しています。循環器科の日常は、午前中の病棟回診、カルテ書き、指示出し、心エコー、そして午後は心カテーテル検査、写真見せ、病棟回診というのが大まかな一日の流れです。
 今年の冬はとても寒いこともあり、狭心症や心筋梗塞のような心臓の病気が多いような気がします。命に直結する病気の多い診療科ですが、治療で劇的に症状が良くなることも多く、とてもやりがいを感じます。指導してくれる上級医の先生方も、とても熱心に指導して下さり、大変感謝しています。

 初期研修の期間も残りわずかとなりましたが、残りの期間もどうぞよろしくお願いします。



研修医2年目 福士 謙