【2011年02月09日】　タイトル： 研修医日記　vol.135 　研修医日記も最後となりました。もう1月も終わります。むつでの生活も残り2ヶ月。本当にあっという間でびっくりしています。 今は外科を回っていて、毎日個性的で素敵な先生方と楽しくお仕事をさせていただいています。 外科病棟にはがんと闘っているたくさんの患者さんが入院されています。手術を乗り越え、そして化学療法や放射線の治療を続け頑張っておられます。診療に携わる身として日々、色々なことを考えさせられます。そして患者さん一人一人に向き合い、仕事をしておられる先生方の下で多くのことを学んでいます。 むつでの研修で一番長く所属した外科も残り僅か・・すごくさみしいですが、その3ヶ月を振り返り、外科の先生方を石原目線でちょこっとご紹介します。 H先生は手術とおやじギャグが大好きなとっても優しい先生です。そして長年に渡り積み重ねられた数多くの手術経験に基づいた知識と技術は本当にすごいです。おやじギャグも熟練の技を感じます。あまりの匠さについていけないときもありますが、ギャグや楽しい話でいつも私たちを癒してくださいます。最近の話題は、N○Kの『ダ○ウィンが来た！』で面白い動物たちの生態系や行動についての会話です。H先生とヘビクイワシの真似をして盛り上がりました！ M先生は、本当にかっこいいです。手術はとても丁寧で、乱れることはありません。かなり多くの種類の手術をご経験されていて研修医の私にもそのすごさは伝わってきます。知識の豊富さは仕事に留まらず、電化製品や車、J-POP,K-POPも得意分野だそうです。手術場ではM先生セレクトの曲が流れ、手術場の雰囲気は和みます。一見怖そうなM先生ですが、困った時はM先生に相談すると必ずアドバイスをくださいます。私は、M先生とお話するのがとても好きなので、外科が終わってしまうのが淋しいです。 Y先生はものすごいたくさんのことをご存知です。手術や外科の知識はもちろんですが、化学療法や栄養療法、緩和ケア、漢方についても幅広い知識をお持ちです。それから研修医たちの面倒をよくみてくださり、症例検討会を控えている私にも丁寧に指導してくださっています！手技の面でも手厚くご指導くださり、多くの経験をさせていただきました。未熟な私に多くのことを教えてくださり、本当にありがとうございました！ N先生は、石原が学生の時にとある病院で2週間ご一緒したことがある先生です。今回むつ病でも一緒に働くことができてすごく嬉しく思っています。外科に留まらず、内科や精神科の知識も豊富で、一緒に仕事をしていると毎日勉強になることばかりです。N先生の患者さんは個性的なのですが、見事に患者さんを治されていて、他チームから頼診されるほどです。口癖は『んでしょ。』で、最近うつってきてしまいました。ご家族をとても大事にされていて、私の理想の家族像です☆ Y先生は、１つ上の学年の先生で、今年度から外科医師としてデビューされた先生です。3年目とは思えない落ち着き。毎日遅くまで残って勉強されたり、お仕事をされたりと本当にすごいなぁと思います。手術もとても外科医1年目とは思えません。今年1年間は大変なことのほうが多かったと思いますが、それらを乗り越えられ、外科医として働いておられるお姿は4月以降の自分の姿と重なるところがあり、たくさんのことを背中で教えていただきました。 臨時手術や長時間手術があったりと大変なときもありましたが、毎日笑いが絶えない外科病棟で、仕事熱心で素敵な先生方と一緒にお仕事することができて、本当に楽しく、そして大変勉強になりました。 こんなに楽しく充実している研修も残り僅か。4月から私たち2年目研修医はそれぞれの道を歩み始めます。私も色々悩んで4月から働く場所を選びました。最後に、そんな私を元気づけてくれたお話の一部をご紹介して日記を締めくくろうと思います。 ＞ 『未来に先回りして点と点をつなげることはできない。君たちにできるのは過去を振り返って繋げることだけだ。だから点と点がいつか何らかのかたちでつながると信じなければならない。歩む道のどこかで点と点がつながると信じれば、自信を持って思うままに生きることができる。たとえ人と違う道を歩んでも、信じることが全てを変えてくれるのです。』 ＞『信念を失わないこと。本当に満足を得たいのであれば進む道はただひとつ、それは自分が素晴らしいと信じる仕事をやること。さらに素晴らしい仕事をしたければ、好きなことを仕事にすること。もし見つからないなら探し続けること。』 ＞『君たちが持つ時間は限られている。人の人生に自分の時間を費やすことはありません。誰かが考えた結果に従って生きる必要もないのです。自分の内なる声が雑音に打ち消されないことです。そして、最も重要なことは自分自身の心と直感に素直に従い、勇気を持って行動することです。心や直感というのは、君たちが本当に望んでいる姿を知っているのです。だから、それ以外のことは、全て二の次でも構わないのです。』 ＞『Stay hungry, Stay foolish』 ～Appleの創設者スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で卒業生に向けて贈ったスピーチより(動画サイトで見れます)～ 研修医２年目　石原　佳奈