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【2009年7月1日】 研修医日記 vol.53 |
今回私は、むつ総合病院の2年目の地域医療研修にかかわるプログラムの一環で、沖縄を訪問することになりました。
23日
いよいよやって来ました、沖縄出発の日です。
当直明けでの出発です。病院裏から車で青森空港まで参ります。
坂井副院長、そして青森県医療薬務課の木村さんとの3人での出発。
木村さんのご実家は、農業を営んでいらっしゃるそうで・・・。本州最北端のコシヒカリを栽培しているとのこと。ぜひ収穫の際にはそのお米を少しでも食べてみたいものですね。
そんなこんなで、青森空港に到着!羽田で乗り継ぎなのですが、青森‐羽田間は飛行機で1時間ちょっとの距離。むつから青森空港までのほうが断然時間かかる・・・っておかしくないですか。羽田‐那覇間は2時間ちょっと。飛行機ってすごいですね。
あっという間に沖縄上陸です。やっぱり、蒸し暑い!気温は31°程度で、むつとそう変わりはないようですが、湿気がすさまじいですね。あと台風の時期とも相まって、風も強い。むつにいらっしゃる先生方より一足先に夏を感じました、ども。
那覇空港からは、モノレールが走っており、モノレールに乗ってホテルまで移動しました。なんとこのモノレール、全国で唯一・・・・暖房が付いてないとのことです。めんそ~れ沖縄ですね。ホテルは泊港からほど近いところで、便利な場所でした。ホテルに到着したのは午後5時過ぎごろ。少し休憩をはさみまして、泊港を一望できるビアガーデンにてお食事いたしました。沖縄はなんと・・・11月ごろまでビアガーデンがあいているとのこと!驚愕。むつでやったら凍え死にしてしまいますね。
本日の活動も終わり(移動だけですが)、ホテルについている温泉で疲れをいやし、就寝です。明日は各所訪問なので忙しくなる予定です。おやすみなさいませ。
24日
おはようございます。本日は実に4か所を訪問いたします。
まず向かったのは沖縄県庁。沖縄県福祉保健部部長の奥村さん、同じく福祉保健部保健衛生統括監の宮里さんにお会いし、ご挨拶させていただきました。
次にお会いしたのが社団法人地域医療振興協会沖縄地域医療支援センターセンター長・ゆいまーるプロジェクト推進室代表の崎原先生です。ゆいまーるプロジェクトは、沖縄の離島医療支援を中心としたプロジェクトで、崎原先生は今後このゆいまーるプロジェクトをモデルにして日本中をめぐる人材の大循環の流れを築く、ということを視野に入れて活動していらっしゃいます。今回は、この大循環の中に青森県も参画して、少しずつ大きな流れにしていこうという目的もかねて、沖縄県の離島医療の支援を中心的に行っている県立病院を訪問させていただきました。
崎原先生と合流し、沖縄県病院事業管理者で病院事業局長の知念先生、沖縄県病院事業局県立病院課の安慶田先生を交え意見交換を行いました。
この日は、崎原先生、坂井先生、木村さん、私の4人で各病院を訪問しました。
まず、県立病院の一つ、沖縄県立中部病院を訪問。副院長で弘前大学ご出身の宮城先生にお会いしました。今回の、沖縄離島と青森へき地での研修医の交換のお話にも、前向きなお返事がいただけました。一通り意見交換を行った後、時間がすこししか無かったため、救急センターだけ見学させて頂きました。中部病院の救急センターの設計は崎原先生がされたそうです。真中にナースステーションがあり、周りにベッドが配置されているという構図。ベッドの数もすごいです。働いている医療スタッフの方々も生き生きとしていました。私も頑張ろう~!
次に、南部医療センター・こども医療センターを訪問し、院長の大久保先生にお会いしました。先生のお話によると、沖縄の離島では他地方からの研修を既に受け入れているところもあり、今回のプログラムにも前向きな意見を頂けました。さらに、青森から研修の受け入れをするだけでなく、沖縄から青森への流れもあったほうが面白い、というお言葉も聞くことができました。どんどん現実的になっていく話にわくわくです。沖縄に同行してよかった・・・!南部医療センターでは院内見学の時間を少しいただいていたので、救急センター、NICU,PICUを見学させていただきました。中でもNICUの設備にはびっくりでした!なんと30床もあり、フロアもコードレスですっきりしている。まさに最先端を見た気がします。
本日の訪問はこれで終了です。今夜は崎原先生を交え沖縄料理店に行きました。生まれて初めてへちま料理を食べました~!これが意外においしいんですよね。青森では食べれない味。島ラッキョウのてんぷらもおいしかった・・・。沖縄の食を堪能し、就寝。たくさん活動したのでよく眠れそうです。
25日
今日はとうとう、離島座間味の診療所を訪問します!泊っているホテルからほど近い、泊港“とまりん”からフェリーに乗って出発。高速フェリーでは約50分程度で座間味島に到着します。青森から持ってきた一眼にフィルムをつめて乗り込みました。行きのフェリーでは船の中から外を眺めつつ・・・・ウトウトしつつ到着。港の時点でもすごくきれいな海で驚愕。その海を尻目に・・・・座間味診療所へ。診療所は臼井先生がひとりで診療をされています。臼井先生は笑顔が素敵な優しそうな先生でした。またとない機会なので、沖縄離島医療について少し質問させていただきました。まずは、沖縄離島特有の疾患は何ですかと質問。ひとつ、観光客の事故が多い、という回答をいただきました。たしかに、観光シーズンには現地の住民よりも観光客のほうが多くなるという土地ならではですね。ほかにはクラゲやハブによる外傷もしばしばみられることがあるとのこと。やはりところ変われば疾患も変わるんだなあ、と大変興味深かったです。一応青森にはクマ外傷があるんですよ、と宣伝しておきました。また、離島医療で一番戸惑ったことは何ですか、という質問に対しては、ここでは自分が病気になった時にまったくの無医村になってしまうので、それがいちばん気になるところです、と。実際に離島医療についてぼんやりとしか想像していなかった私にとっては目からうろこというか・・そういった感想でした。てっきりひとりで休む暇がない・・・とか、使える物資が限られていて・・とかそういったことなのかと想像していたので、まだまだだなぁ、と少し反省です。
話も尽きないところでしたが船の時間も来てしまったので、診療所を後にしました。フェリーに乗るまでのほんの少しの間に、ヘリポートと座間味のビーチを見せていただきました。ヘリポートは座間味診療所からものの5分ほどの距離。診療所で見切れない疾患を、ここから本島まで運ぶ重要な生命線です。そして・・・座間味のビーチ!もう観光客も数人泳ぎに来ている様子でしたが、本当に美しかったです。少し高いところから数分だけ見たんですが、しっかり写真に収めてきました!すぐ時間は過ぎ、帰りのフェリーは普通のフェリーで、1時間30分ほどの運航。フェリーの甲板に出て海からの座間味も堪能しました。
最終日の本日は、沖縄県観光商工部の城間さんと新垣さんと共に沖縄料理店へ。ここでおいしい料理、泡盛を頂きました。しかも!親指の先ほどのお猪口でいただくのが正式な泡盛の飲み方らしく、そのお猪口まで頂けることになりました。本当に可愛いです。沖縄、来てよかった・・・。
沖縄の旅もこれで終了。たくさんのお話を聞くことができ、充実したものになりました。私のつたない文章では体験の半分も伝わらなかったかもしれませんが、ここまで目を通してくださったみなさん、ありがとうございました。来年また沖縄を訪問できますように!
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研修医1年目 和田 尚子 |
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