令和元年度 むつ総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 406 126 137 191 250 425 1050 1235 1066 332
・平成31年4月1日から令和2年3月31日までの間に退院した患者さんを10歳刻みで集計しています。
・年齢は入院時の満年齢としています。

当院は下北地域保健医療圏の中核的基幹病院として、幅広い年齢層の患者さんに医療を提供しています。
一番患者数が多いのは70歳代の1,235人となっており、次いで80歳代の1,066人となっています。
全体で見ると60歳以上の患者の割合が高く、全体の70%を占めています。
平成30年度のデータと比較して、年齢階級別の分布に大きな変化は見られませんでした。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科;消火器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(大腸ポリープ等。) 手術あり(内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 ) 91 3.21 2.63 0.00 70.69
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎、手術あり(内視鏡的胆道ステント留置術等 86 13.97 9.79 5.81 79.64
130090xx97x0xx 貧血(その他)、手術あり(輸血) 47 3.72 10.49 0.00 69.43
130060xx97x00x 骨髄異形成症候群 手術あり(輸血) 44 1.39 15.22 0.00 74.09
060335xx99x00x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 手術なし 37 22.81 10.65 2.70 75.14
・各診療科別に患者数の多いDPCコードを上位5位まで示しています。
・患者数は延患者数であり、同じ患者さんが期間内に同じ治療内容で入退院を繰り返した場合も、1症例を1件として集計します。
・転院率は、他の病院・診療所に転院した患者数÷全退院患者により算出しています。

最も患者数が多いのは、大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術目的の入院です。

二番目に患者数が多いのは、胆管結石に対する結石除去術や胆管閉塞に対するステント留置術など、胆管に関する手術をした症例です。

三番目、四番目は血液疾患に対する輸血治療を目的とした入院で、日帰り入院も多く、平均在院日数が全国平均を大幅に下回っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99130x 狭心症,慢性虚血性心疾患、手術・処置等11あり(心臓カテーテル法による諸検査)、手術・処置等2の3あり(SPECT) 123 4.07 5.56 0.00 66.22
050130xx99000x 心不全 52 29.75 17.71 3.85 83.63
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 50 12.30 10.80 0.00 78.70
050050xx02030x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術あり(経皮的冠動脈形成術等)手術・処置等11あり(心臓カテーテル法による諸検査)、手術・処置等2の3あり(SPECT) 27 7.11 9.54 0.00 69.15
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 25 28.88 14.62 8.00 70.96
下北半島で唯一の循環器専門科として、循環器系疾患(狭心症や心不全、心筋梗塞等)や呼吸系疾患(肺炎や気胸、肺癌等)等様々な疾患の治療をしています。

最も患者数が多いのは狭心症や陳旧性心筋梗塞などの慢性虚血性心疾患(疑いも含む。)に対して心臓カテーテル法による諸検査とSPECTを実施した症例です。フォロー目的や疑いで検査入院する症例が多いため、ほとんどが予定入院でした。

二番目に多いのは心不全の治療目的の入院で、このうち緊急入院は48件でした。

次いで多いのは徐脈性不整脈(房室ブロック、ペースメーカ電池消耗など)に対してペースメーカ移植術や交換術を行った症例です。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 66 4.86 6.64 0.00 2.44
140010x199x00x 早産児、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 62 4.87 6.17 0.00 0.00
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 42 5.02 6.19 0.00 2.00
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満 23 4.48 5.69 0.00 2.09
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 22 4.32 5.45 0.00 3.68
最も患者数が多いのは喘息による入院となっています。

次いで多いのは新生児黄疸や新生児一過性多呼吸による入院です。

三番目は下気道感染症で、急性気管支炎、RSウイルス気管支炎、マイコプラズマ気管支炎等が含まれます。

小児科は全国の平均在院日数とほぼ近い日数で診療を行っています。
外科;消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)手術あり 48 6.29 4.85 0.00 67.48
090010xx99x8xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等28あり(パージェタ等) 39 5.38 4.87 0.00 64.15
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり(パクリタキセル等) 32 4.19 4.25 0.00 61.06
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 29 8.14 8.89 0.00 70.69
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 手術あり(腹腔鏡下胆嚢摘出術等) 23 12.00 6.37 0.00 62.87
最も患者数が多いのは、15歳以上の鼠径ヘルニア切除術目的の入院で、基本的には短期の入院となっています。

二番目、三番目に多いのは乳がんに対する化学療法目的の入院です。使用する抗がん剤の種類で二番、三番に分かれますが、合計すると実質最も多い症例となります。

四番目に多いのはヘルニアの記載のない腸閉塞(術後腸閉塞、癒着性イレウスなど)の入院で、ほぼ緊急入院となっていました。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 手術あり(人工骨頭挿入術等) 71 43.87 25.94 47.89 83.01
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 28 22.18 12.55 0.00 68.39
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 24 28.42 19.40 8.33 76.08
070370xx99xxxx 脊椎骨粗鬆症 手術なし 21 35.14 20.74 4.76 81.76
160760xx97xxxx 前腕の骨折 手術あり 17 7.53 5.54 0.00 55.76
最も患者数が多いのは股関節大腿近位骨折に対して骨折観血的手術や人工骨頭挿入術等を施行した症例です。
平均年齢が83.01歳となっており、昨年度より高くなっています。今後高齢化が進む上でさらなる増加が予測されます。
また、当院の平均在院日数は43.87日となっており全国に比べて少し長めになっています。
これは、近隣に継続リハビリ等を受け入れられる病院が少なく転院先が限られており、受け入れまでに時間を要してしまうためと考えられます。

次いで多いのは蜂巣炎等の皮膚の感染症です。

三番目、四番目はどちらも脊椎骨折の症例ですが、四番目は骨粗鬆症が原因の骨折で、圧倒的に女性が多く全体の90%を占めています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 20 24.60 18.81 75.00 70.05
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術あり(慢性硬膜下血種穿孔洗浄術等) 17 17.94 9.67 5.88 79.82
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 手術あり(慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等) 14 12.00 11.86 7.14 83.14
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり(エダラボン) 副傷病なし発症前RankinScale 0、1又は2 14 23.14 16.13 35.71 69.43
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 10 14.10 7.34 0.00 60.10
最も患者数が多かったのは、非外傷性頭蓋内血腫(脳出血等)の入院です。非外傷性頭蓋内血腫では転院率が75%と他と比べて非常に高めになっています。
転院率は高いのですが、当院の平均在院日数は全国と比べて長めになっています。これは近隣に継続リハビリ等を受け入れられる病院が少なく転院先が限られており、受け入れまでに時間を要してしまうためと考えられます。

次いで患者数が多かった頭蓋・頭蓋内損傷とは、脳挫傷や外傷性慢性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血のことを指します。

三番目は同数で慢性硬膜下血種で穿孔ドレナージ術を施行した症例と脳梗塞となっています。
ここでの脳梗塞は比較的軽症のものです。

脳神経外科の入院は全体的に救急入院が多いです。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 63 17.03 12.58 0.00 80.35
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍 経尿道的手術あり 39 8.56 7.07 0.00 73.64
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術あり(動脈形成術、吻合術) 39 18.74 8.48 2.56 67.54
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術あり 27 16.59 5.61 3.70 63.07
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 23 14.61 11.67 0.00 75.87
最も患者数が多いのは腎臓または尿路の感染症(尿路感染症や腎盂腎炎等)です。平均年齢は高めになっています。

次いで多いのは同数で膀胱腫瘍(膀胱癌)に対して膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)を施行した症例と、
慢性腎不全の透析患者に対する透析シャント(血液透析の為の血管内に作られる血液回路)の設置術やシャント閉塞に対する拡張及び血栓の除去術を施行した症例です。

三番目に多いのは上部尿路疾患(尿管結石症や腎結石症等)に対して経尿道的尿路結石除去術を施行した症例となっています。
産科;婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり(化学療法) 28 12.82 4.58 0.00 56.11
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 23 4.83 3.13 0.00 39.83
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 20 10.45 9.66 0.00 32.85
120250xx99x0xx 生殖・月経周期に関連する病態 手術なし 手術・処置等2なし 19 1.05 4.56 0.00 33.68
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2なし 18 18.28 19.06 11.11 29.67
婦人科では、子宮頸部・体部の悪性腫瘍が多く、全体でも一番目と二番目を占めています。
次いで多いのが不妊症に対する検査入院で、全体の四番目となっています。

産科では、既往帝王切開後の妊娠における、選択的帝王切開術施行が最も多く、全体の三番目。
次いで切迫早産、偽陣痛の治療目的の入院が多くなっています。全体の五番目。

※自然分娩は表中に含まれていません。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030428xxxxxxxx 突発性難聴 15 12.60 8.93 0.00 59.73
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 12 8.00 5.01 0.00 64.33
最も患者数が多いのが突発性難聴で、当院では女性が多く15人中12人となっています。

二番目に多い前庭機能障害には、めまい症、メニエール病、前庭神経炎などです。こちらも12人中11人が女性でした。


初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 37 13 20 35 11 21 1 7,8
大腸癌 29 25 43 89 38 49 1 7,8
乳癌 45 19 16 43 35 1 7,8
肺癌 17 1 8
肝癌 15 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
・胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌のいわゆる5大癌について、初発と再発に区別して集計しています。
・患者数は延患者数とし、同じ患者さんが期間内に同じ癌で入退院を繰り返した場合も1症例を1件として集計しています。
※患者数が10未満の場合は、‐(ハイフン)で表示しています。

昨年に比べ、胃癌は初発が、大腸癌、乳癌は初発、再発共に増えています。

これらの癌には、手術・放射線治療・抗癌剤治療を単独または組み合わせて行います。
当院では各治療のほか、他職種からなる緩和ケアチームを中心に患者さんの身体的・精神的な苦痛を和らげるための取り組みも行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 88 25.48 77.91
重症 30 31.53 84.07
超重症 14 19.50 85.36
不明
・成人の市中肺炎につき、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を示しています。
・市中肺炎とは普段の生活の中で罹患した肺炎のことをいいます。
・重症度はA-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階で表記しています。
 ☆A-DROPスコア
    Age(年齢)・・・・・・・・・・・・・・男性70歳以上、女性75歳以上
   Dehydration(脱水)・・・・・・・BUN 21mg/dL以上または脱水あり
    Respiration・・・・・・・・・・・・・・SpO2≦90%(PaO2 60Torr以下)
   Orientation(意識障害)・・・・意識障害あり
    Pressure(収縮期血圧)・・・・収縮期血圧90mmHg以下
    5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点。

※患者数が10未満の場合は、‐(ハイフン)で表示しています。

患者数が最も多いのは中等症で、全体の63%を占めています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 150 34.84 76.43 33.75
その他 10 40.20 78.60 1.25
・発症日から3日以内とそれ以外で分けて示しています。 
・転院率は、他の病院・診療所に転院した患者数÷全退院患者により算出しています。

発症して早期に入院される患者さんが大部分となっており、その内の33%がリハビリの継続などの理由で後方支援病院に転院されています。
脳梗塞のうち、47.4%が救急車による搬送患者でした。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科;消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 97 3.80 19.69 5.15 79.55
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 91 1.26 2.35 0.00 70.46
K654 内視鏡的消化管止血術 47 1.21 20.57 0.00 68.02
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 37 2.11 7.73 0.00 72.81
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 35 13.69 37.00 5.71 72.89
・診療科別に手術件数の多い順に5術式について示しています。
・転院率は、他の病院・診療所に転院した患者数÷全退院患者により算出しています。

最も患者数が多いのは胆管閉塞等に行われる内視鏡的胆道ステント留置術で、胆道が狭窄し胆汁の流れが悪くなっているときに、ステントという管を入れて拡張し胆汁の流れを良くする手術です。

二番目が大腸ポリープや直腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。
主に一泊二日の短期入院となっています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 47 4.32 5.77 2.13 69.79
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 36 4.08 13.25 2.78 79.81
K597-2 ペースメーカー交換術 17 1.35 7.76 0.00 77.41
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 13 4.08 12.08 0.00 69.85
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 12 0.00 22.67 8.33 59.17
最も多い経皮的冠動脈形成術・ステント留置術は、狭心症や急性心筋梗塞などの虚血性心疾患に対して施行されます。
狭窄または閉塞した冠動脈を内側から広げたり、ステントと呼ばれる小さな金属製の筒を留置したりして血流の流れを回復する治療法です。
体を大きく切る必要がないため、身体的負担が少ないことが特徴です。

二番目に多いのが、房室ブロックや洞不全症候群等に対して行われるペースメーカー移植術です。
ペースメーカーの電池消耗等の理由で行われるペースメーカー交換術も三番目に多くなっています。
外科;消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 47 1.43 3.89 0.00 67.13
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 38 5.84 5.05 2.63 62.87
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 33 11.67 14.33 3.03 71.00
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う)) 16 1.50 12.69 0.00 67.81
K6572 胃全摘術(悪性腫瘍手術) 15 9.60 19.07 0.00 73.73
最も多いのは鼠径ヘルニア手術で、基本的には短期の入院になっています。
鼠径ヘルニア(脱腸)は、本来ならお腹の中にあるはずの小腸などの一部が、ももの付け根(鼠径部といいます)の筋膜の間から皮膚の下に出てくる病気です。

二番目に多いのは胆嚢結石症や胆石性胆嚢炎等に対して行われる腹腔鏡下胆嚢摘出術です。
腹腔鏡手術は一般的に切開部が小さく、感染のリスクや出血、回復時間が少なくてすみます。

三番目に多いのは結腸切除術で、これは主に結腸癌に対して行われています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 52 5.58 37.73 40.38 79.94
K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 31 4.23 20.74 0.00 63.19
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 31 3.45 38.71 9.68 71.39
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 23 6.04 34.17 52.17 80.61
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕,下腿 18 0.56 7.89 0.00 47.89
最も患者数が多いのは骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿に対して行われたもの)です。
その中でも大腿骨転子部骨折に対して行った症例が一番多くなっていました。
大腿骨は、一番上の球形の部分を骨頭とよび、そのすぐ下の細くなった部分を頚部とよびます。頚部はさらに太くでっぱった部分に繋がります。この太く出っ張った部分のことを転子部とよびます。
骨折観血的手術はギプス固定と違い、骨を正常な位置に戻した後、釘やプレートなどで固定する手術です。全身麻酔で行われることが多いです。

次いで多いのは同数で、脚の骨である脛骨の骨折や腕の骨である橈骨の骨折に対して行われる骨折観血的手術と、人工関節置換術でした。
人工関節置換術は、当院では主に変形性膝関節症に対して行われていました。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 44 6.68 18.34 0.00 65.73
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 35 1.57 14.03 5.71 70.57
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 35 1.54 10.54 0.00 73.77
K836 停留精巣固定術 23 0.00 1.00 0.00 2.39
K821-3 尿道ステント前立腺部尿道拡張術 19 6.05 6.05 0.00 86.74
最も患者数が多いのは内シャント設置術で、これは腎臓の機能が低下して血液透析が必要となった時に行なう手術です。
血液透析を行うためには大量の血液を体外循環(出し入れ)させる必要があるため、前腕の動脈と静脈を手術で縫い合わせて動脈血を静脈血に誘導し、静脈の血流量を増やします。このような、動脈から静脈へ直接血液が流れる通り道をシャントと呼び、主に利き腕でない側につくられます。

二番目に多いのは経尿道的尿管ステント留置術で、尿管ステントとは、尿管(腎臓と膀胱をつなぐ尿の通路)を確保するために用いる管のことをいいます。
この手術は尿管結石による水腎症(尿の通過障害により腎臓が拡張した状態)や排尿障害に対して行われる場合が多いです。

三番目に多いのは膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)で、これは膀胱内にできた腫瘍を尿道からカメラ(内視鏡)を入れて削り取る手術です。削り取った組織を顕微鏡で見て追加の治療が必要かどうか検討します。
産科;婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K867 子宮頸部(腟部)切除術 22 1.05 2.91 0.00 39.82
K877 子宮全摘術 20 3.65 8.30 0.00 48.60
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 20 2.95 8.70 0.00 31.10
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 20 14.25 8.10 0.00 33.25
K861 子宮内膜掻爬術 11 0.00 0.73 0.00 49.73
近隣開業医から入院加療が必要な患者さんの紹介を受けている関係で、帝王切開術や流産手術の患者数が多くなっています。

最も多いのは子宮頸部(腟部)切除術で、子宮頸部高度異形成(子宮頸癌の前段階)や子宮頸部上皮内癌(0期と呼ばれるごく初期の癌)に対して行われます。

次いで同数で子宮全摘術、緊急帝王切開術、選択帝王切開術となっています。
子宮全摘術は、その名の通り子宮を全て摘出する手術で、子宮筋腫や子宮内膜症に対して必要に応じて行われます。
緊急帝王切開術(何らかのトラブルにより緊急で行う)が適用される症例には、妊娠高血圧症候群や胎児徐脈等があります。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 27 1.81 14.11 11.11 81.11
最も患者数が多い慢性硬膜下血種穿孔洗浄術(穿頭血種ドレナージ術)は、頭皮を3cm程切り、頭蓋骨に直径1.5cm程の穴を開け、その下にある硬膜を切開すると溜まっている血液が噴出してきます。残った血腫を吸い出した後に、血が溜まっていた空洞(血腫腔)の中をきれいに洗います。最後に、頭蓋骨に開けた穴から細いチューブを血腫腔に挿入した後、皮膚を縫合して手術は終わりです。通常局所麻酔で行われます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 21 0.40
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 21 0.40
異なる
・最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症である症例数を集計し、全入院患者に対する発生率を示しています。

※症例数が10未満の場合は、‐(ハイフン)で表示しています。

<播種性血管内凝固症候群>
本来出血箇所で生じるべき血液凝固反応が何らかの原因で高まり、全身の血管内で無秩序に起こる症候群のことです。
早期治療・早期発見が必要な重篤な状態であり、医療資源投入量も多くなります。

<敗血症>
例えば肺炎や腎盂腎炎など、体のある部分で感染症を起こしている場所から血液中に病原菌が入り込み、重篤な全身症状を引き起こす疾患です。
重篤な状態であり、医療資源投入量も多くなります。

<真菌症>
真菌による感染症のことです。体の抵抗力が弱ったときに起こる場合が多いです。

<手術・処置等の合併症>
手術・処置等の合併症には術後の出血、術後創部感染、カテーテル感染などが挙げられます。
合併症はどうしても一定の割合で起こりうるもので、医療ミスとは異なります。
臨床上ゼロにすることは困難ですが、細心の注意を払いより良い医療が出来るよう尽力しています。

播種性血管内凝固症候群では、入院の契機となった傷病と異なる症例数が多くなっています。
入院の契機となった傷病と異なるというのは、当初は違う傷病で入院したものの入院中に状態が悪化し播種性血管内凝固症候群を起こし、主な治療がこれらに移行した場合を指します。この場合の入院の契機となった傷病に挙げられるのは、癌や肺炎、急性腎盂腎炎等でした。
反対に手術・処置等の合併症では、ほとんどが入院の契機となった傷病と同一の症例数が多くなっています。これは合併症を主訴として入院し、そのまま治療を受け退院したような場合を指します。
更新履歴
令和2年9月30日
新規公開