令和4年度 むつ総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 236 48 126 195 266 461 826 1243 912 332
・令和4年4月1日から令和5年3月31日までに退院した患者さんを10歳刻みで集計しています。
・年齢は入院時の満年齢としています。

当院は下北地域保健医療圏の中核的基幹病院として、幅広い年齢層の患者さんに医療を提供しています。
一番患者数が多いのは70歳代の1,243人となっており、次いで80歳代の912人となっています。
全体で見ると60歳以上の患者の割合が高く、全体の71%を占めており、昨年度より3%程度上がっていました。
令和3年度のデータと比較して、年齢階級別の分布に大きな変化は見られませんでした。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科;消火器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(大腸ポリープ等),手術あり(内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 ) 106 3.80 2.64 0 67.85
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎,手術あり(内視鏡的胆道ステント留置術等) 78 12.76 8.94 0 77.77
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎,手術なし 42 37.74 21.11 11.90 81.10
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満),手術なし,手術・処置等2の4あり(エダラボン),発症前Rankin Scale 0、1又は2 40 26.83 15.97 22.50 72.58
060335xx99x00x 胆嚢炎等,手術なし 34 19.41 10.93 2.94 69.59
・各診療科別に患者数の多いDPCコードを上位5位まで示しています。
・患者数は延患者数であり、同じ患者さんが期間内に同じ治療内容で入退院を繰り返した場合も、1症例を1件として集計します。
・転院率は、他の病院・診療所に転院した患者数÷全退院患者により算出しています。

最も患者数が多いのは、大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術目的の入院です。
基本的に一泊二日の短期入院となっています。

二番目に患者数が多いのは、胆管結石に対する結石除去術や胆管閉塞に対するステント留置術など、胆管に関する手術をした症例です。

三番目に患者数が多いのは誤嚥性肺炎による入院で、平均年齢は他より高めになっていました。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9913xx 狭心症、慢性虚血性心疾患,手術・処置等1の1あり(心臓カテーテル法による諸検査),手術・処置等2の3あり(SPECT) 64 3.73 6.33 0 64.36
050210xx97000x 徐脈性不整脈,手術あり 33 11.33 9.89 0 78.67
050130xx9900x0 心不全,手術なし,他の病院・診療所の病棟からの転院以外 30 24.53 17.54 3.33 81.23
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満),手術なし,手術・処置等2の4あり(エダラボン),発症前Rankin Scale 0、1又は2 23 24.13 15.97 39.13 76.52
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍,手術なし 23 17.61 13.49 26.09 79.13
下北半島で唯一の循環器専門科として、循環器系疾患(狭心症や心不全、心筋梗塞等)や呼吸系疾患(肺炎や気胸、肺癌等)等様々な疾患の治療をしています。

最も患者数が多いのは狭心症や陳旧性心筋梗塞などの慢性虚血性心疾患(疑いも含む。)に対して心臓カテーテル法による諸検査とSPECTを実施した症例です。

次いで多いものは徐脈性不整脈(房室ブロック、ペースメーカ電池消耗など)に対してペースメーカ移植術や交換術を行った症例です。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上),手術なし 74 4.43 6.13 0 0
040100xxxxx00x 喘息 25 4.36 6.05 0 3.60
130080xx97x0xx 再生不良性貧血,手術あり 18 1.61 11.78 0 1.06
030270xxxxxxxx 上気道炎 11 7.91 4.79 0 2.55
080270xxxx1xxx 食物アレルギー,手術・処置等1あり(小児食物アレルギー負荷検査) - - 2.09 - -
最も患者数が多いのは"妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害"です。
これには新生児黄疸や新生児一過性多呼吸が含まれます。

次いで多いのは喘息による入院でした。
これには気管支喘息発作や小児喘息性気管支炎等が含まれます。

昨年度と比べて、急性気管支炎や上気道炎のような子供の感染症が少なくなっています。
コロナ禍において、手洗いうがい等の感染対策が徹底されていることが関係していると考えられます。
外科;消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx99x80x 乳房の悪性腫瘍,手術なし,手術・処置等2の8あり(パージェタ等) 76 4.03 3.85 0 66.84
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など),手術あり(腹腔鏡下胆嚢摘出術等) 51 7.06 6.07 0 57.88
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上),手術あり 39 5.26 4.59 0 69.08
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍,手術あり(結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等) 37 21.62 15.40 0 72.32
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞,手術なし 18 7.83 9.00 0 71.78
最も患者数が多いのは乳がんに対する化学療法目的の入院です。
使用する抗がん剤の種類によってDPCコードが細かく分かれておりますが、[DPC上6桁:090010 乳房の悪性腫瘍]で分類すると年間152件となっています。

次いで多いのは胆嚢結石に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した症例です。
ほとんどが予定入院になっていました。

三番目に患者数が多いのは15歳以上の鼠径ヘルニア切除術目的の入院で、基本的には短期の入院となっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折,手術あり(骨折観血的手術等) 83 50.14 26.42 43.37 81.82
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。),手術なし 29 31.55 20.09 20.69 76.10
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。),手術あり(人工関節再置換術等) 17 44.41 22.44 0 68.53
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。),手術あり(人工関節再置換術等) 17 37.00 20.14 0 66.53
160800xx99xxx0 股関節・大腿近位の骨折,手術なし,他の病院・診療所の病棟からの転院以外 16 49.06 14.51 37.50 87.13
最も患者数が多いのは股関節大腿近位骨折に対して骨折観血的手術や人工骨頭挿入術等を施行した症例です。
平均年齢は81.82歳となっており、今後高齢化が進む上でさらなる上昇が予測されます。
また、当院の平均在院日数は50.14日となっており全国と比べて少し長めになっています。
これは、近隣に継続リハビリ等を受け入れられる病院が少なく転院先が限られており、受け入れまでに時間を要してしまうためと考えられます。

次いで多いのは胸椎、腰椎以下の骨折です。腰椎椎体骨折や胸椎椎体骨折等が含まれます。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外),(JCS10未満),手術なし 20 35.60 19.58 75.00 74.85
010230xx99x00x てんかん,手術なし 12 7.75 7.33 0 60.50
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫,手術あり(慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等) 11 17.18 11.85 36.36 83.27
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外),(JCS10以上),手術なし 10 21.50 23.28 40.00 79.80
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷,手術なし - - 8.54 - -
※患者数が10未満の場合は、‐(ハイフン)で表示しています。

最も患者数が多かったのは、"非外傷性頭蓋内血腫(脳出血等)"のJCS10未満の入院です。
※JCS=JapanComaScale 意識障害のレベル分類
手術や処置の有無だけでなく、JCSによってもDPCコードが分かれており、[DPC上6桁:010040 非外傷性頭蓋内血腫(脳出血等)]で分類すると年間で35件となっていました。
転院率に関しては、75%と他と比べて高くなっています。
一方、当院の平均在院日数は全国と比べて少し長めになっています。これは近隣に継続リハビリ等を受け入れられる病院が少なく転院先が限られており、受け入れまでに時間を要してしまうためと考えられます。

次いで多いのはてんかんの入院となっていました。

脳神経外科の入院はほとんどが救急入院となっていました。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 10 7.20 6.23 0 56.20
03001xxx97x0xx 頭頸部悪性腫瘍,その他の手術あり - - 10.70 - -
030400xx99xxxx 前庭機能障害,手術なし - - 4.79 - -
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍,手術あり - - 6.81 - -
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎,手術なし - - 5.69 - -
※患者数が10未満の場合は、‐(ハイフン)で表示しています。

最も患者数が多いものは慢性副鼻腔炎による入院でした。
これには汎副鼻腔炎や慢性上顎洞炎等が含まれます。
内視鏡下鼻・副鼻腔手術を実施した症例もこのDPCコードに分類されています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍,手術なし,手術・処置等1あり(前立腺針生検) 55 3.58 2.45 0 72.31
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全,手術なし 43 12.70 11.77 6.98 69.58
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍,手術あり(膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術) 38 6.74 6.85 0 71.16
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症,手術なし 37 18.51 13.61 5.41 82.27
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全,手術あり(内シャント造設術等) 33 18.27 7.59 3.03 65.94
最も患者数が多いものは、前立腺癌の疑いに関して前立腺針生検を行った症例です。
生検を行うことにより、病変部の診断の確定はもちろん、癌の種類や悪性の度合いを調べることができます。

次いで多いものは慢性腎不全による入院です。
慢性腎不全に対して内シャント造設術等を施行した症例は五番目に患者数が多くなっています。

三番目に多いものは膀胱腫瘍(膀胱癌)に対して膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)を施行した症例です。
産科;婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常,手術あり(帝王切開術等) 33 10.00 9.38 0 31.33
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍,手術なし,手術・処置等2の4あり(化学療法) 28 12.96 4.27 0 59.93
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍,手術なし,手術・処置等2の5(カルボプラチン+パクリタキセル)あり 25 9.56 4.19 0 61.52
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍,手術あり(腹腔鏡下腟式子宮全摘術等) 23 8.35 5.98 0 44.61
120260x001xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満),手術あり(帝王切開等) 20 10.35 9.37 0 29.90
※表中に自然分娩は含まれておりません。

最も患者数が多いものは既往帝王切開後の妊娠や児頭骨盤不均衡等により帝王切開術を行った症例です。
全国の平均在院日数と近い日数となっています。

次いで多いものは子宮頸・体部のがんに対する化学療法目的の入院です。
使用する抗がん剤の種類や手術の有無によってDPCコードが分かれていますが、[DPC上6桁:12002x 子宮頸・体部のがん]で分類すると年間の症例は88件となっていました。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 29 - - 23 - 18 1 8
大腸癌 25 26 62 74 - 55 1 8
乳癌 20 54 12 37 - 23 1 8
肺癌 - - - 19 - 12 1 8
肝癌 - - - - - 30 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
・胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌のいわゆる5大癌について、初発と再発に区別して集計しています。
・患者数は延患者数とし、同じ患者さんが期間内に同じ癌で入退院を繰り返した場合も1症例を1件として集計しています。
※患者数が10未満の場合は、‐(ハイフン)で表示しています。

昨年度と比較して、全体的に胃癌の件数は減少し、大腸癌のStageⅢ・StageⅣの数は増加していました。
乳癌のStageⅠは昨年度より三割程度減少しています。

これらの癌には、手術・放射線治療・抗癌剤治療を単独または組み合わせて行います。
当院では各治療のほか、他職種からなる緩和ケアチームを中心に患者さんの身体的・精神的な苦痛を和らげるための取り組みも行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - 19.75 51.75
中等症 42 23.36 79.36
重症 21 30.52 85.81
超重症 21 38.90 86.71
不明 - 0 0
・成人の市中肺炎につき、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を示しています。
・市中肺炎とは普段の生活の中で罹患した肺炎のことをいいます。
・重症度はA-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階で表記しています。
 ☆A-DROPスコア
   Age(年齢)・・・・・・・・・・・・・・男性70歳以上、女性75歳以上
   Dehydration(脱水)・・・・・・・BUN 21mg/dL以上または脱水あり
   Respiration(呼吸)・・・・・・・・・SpO2≦90%(PaO2 60Torr以下)
   Orientation(意識障害)・・・・意識障害あり
   Pressure(血圧)・・・・・・・・・・収縮期血圧90mmHg以下
    5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点となる。

※患者数が10未満の場合は、‐(ハイフン)で表示しています。

患者数が最も多いのは中等症で、全体の48%を占めています。
重症度が上がるほど平均年齢も高くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 158 37.21 76.19 26.19
その他 10 24.50 81.10 0.60
・発症日から3日以内とそれ以外で分けて示しています。 
・転院率は、他の病院・診療所に転院した患者数÷全退院患者により算出しています。

発症して早期に入院される患者さんが大部分となっており、その内の27%がリハビリの継続などの理由で後方支援病院に転院されています。
脳梗塞のうち、54.8%が救急車による搬送患者でした。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科;消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 85 0.59 1.91 0 67.60
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 66 2.91 13.05 1.52 77.91
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 50 10.86 24.86 2 70.72
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) 25 0.92 5.40 0 68.20
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 24 2.08 7.25 0 68.04
・診療科別に手術件数の多い順に5術式について示しています。
・転院率は、他の病院・診療所に転院した患者数÷全退院患者により算出しています。

最も患者数が多いのは大腸ポリープや直腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。
長径2センチメートル未満と2センチメートル以上でKコードが分かれています。
主に一泊二日の短期入院となっています。

次いで患者数が多いのは胆管閉塞等に行われる内視鏡的胆道ステント留置術です。
胆道が狭窄し胆汁の流れが悪くなっているときに、ステントという管を入れて拡張し胆汁の流れを良くする手術です。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 23 4.83 5.48 4.35 70.30
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 21 4.14 2.38 0 65.86
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 20 4.10 9.60 0 76.00
K597-2 ペースメーカー交換術 13 1.00 7.85 0 81.15
K5461 経皮的冠動脈形成術 急性心筋梗塞に対するもの 10 0 19.50 0 64.80
経皮的冠動脈ステント留置術・形成術と、ペースメーカーの移植術・交換術が大部分を占めています。

経皮的冠動脈ステント留置術・形成術は、狭心症や急性心筋梗塞などの虚血性心疾患に対して施行されます。
狭窄または閉塞した冠動脈を内側から広げたり、ステントと呼ばれる小さな金属製の筒を留置したりして血流の流れを回復する治療法です。
体を大きく切る必要がないため、身体的負担が少ないことが特徴です。

ペースメーカー移植術は、房室ブロックや洞不全症候群等に対して行われます。
その後ペースメーカーの電池消耗等があると、ペースメーカー交換術が施行されます。
外科;消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 54 2.91 3.67 0 57.50
K7193 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術 46 9.11 16.78 4.35 73.07
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 24 1.50 2.88 0 66.63
K6335 鼠径ヘルニア手術 19 1.68 3.00 0 65.05
K6552 胃切除術(悪性腫瘍手術) 14 4.93 25.07 0 72.79
最も多いものは胆嚢結石症や胆石性胆嚢炎等に対して行われる腹腔鏡下胆嚢摘出術です。
腹腔鏡手術は一般的に切開部が小さく、感染のリスクや出血、回復時間が少なくてすみます。

次いで多いものは結腸切除術で、これは主に結腸癌に対して行われています。

三番目に多いものは腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)です。
鼠径ヘルニア(脱腸)は、本来ならお腹の中にあるはずの小腸などの一部が、ももの付け根(鼠径部といいます)の筋膜の間から皮膚の下に出てくる病気です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 72 4.96 39.58 38.89 79.38
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 38 2.55 38.53 0 66.50
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 19 5.68 42.42 47.37 79.26
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 18 3.11 18.00 0 58.33
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 10 0.70 3.40 0 45.20
最も患者数が多いのは骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿に対して行われたもの)です。
その中でも大腿骨転子部骨折に対して行った症例が一番多くなっていました。
ちなみに、大腿骨は一番上の球形の部分を骨頭とよび、そのすぐ下の細くなった部分を頚部とよびます。頚部はさらに太くでっぱった部分に繋がります。この太く出っ張った部分のことを転子部とよびます。
骨折観血的手術はギプス固定と違い、骨を正常な位置に戻した後、釘やプレートなどで固定する手術です。全身麻酔で行われることが多いです。

次いで多いものは人工関節置換術(肩,股,膝)です。
変形性股関節症や変形性膝関節症に対して行われています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 17 0.18 18.12 41.18 81.88
K145 穿頭脳室ドレナージ術 - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - - - - -
K1742 水頭症手術(シャント手術) - - - - -
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) - - - - -
※患者数が10未満の場合は、‐(ハイフン)で表示しています。

最も患者数が多いものは慢性硬膜下血種穿孔洗浄術(穿頭血腫ドレナージ術)です。
頭皮を3cm程切り、頭蓋骨に直径1.5cm程の穴を開け、その下にある硬膜を切開すると溜まっている血液が噴出してきます。残った血腫を吸い出した後に、血が溜まっていた空洞(血腫腔)の中をきれいに洗います。最後に、頭蓋骨に開けた穴から細いチューブを血腫腔に挿入した後、皮膚を縫合して手術は終わりです。
通常局所麻酔で行われます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 44 5.80 14.32 4.55 65.98
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 39 2.05 4.26 0 71.69
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 21 0.81 6.52 0 56.48
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 20 1.85 3.15 0 59.55
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの) 10 1.00 5.80 0 73.30
最も患者数が多いものは末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)で、これは腎臓の機能が低下して血液透析が必要となった時に行なう手術です。
血液透析を行うためには大量の血液を体外循環(出し入れ)させる必要があるため、前腕の動脈と静脈を手術で縫い合わせて動脈血を静脈血に誘導し、静脈の血流量を増やします。このような、動脈から静脈へ直接血液が流れる通り道をシャントと呼び、主に利き腕でない側につくられます。

次いで多いものは膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)で、これは膀胱内にできた腫瘍を尿道からカメラ(内視鏡)を入れて削り取る手術です。削り取った組織を顕微鏡で見て追加の治療が必要かどうか検討します。
産科;婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 43 2.91 7.74 0 31.72
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 26 2.23 5.15 0 47.08
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 15 3.20 7.73 0 28.13
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 14 9.14 9.36 0 64.14
K867 子宮頸部(腟部)切除術 11 1.00 1.00 0 44.18
近隣開業医から入院加療が必要な患者さんの紹介を受けている関係で、帝王切開術の患者数が多くなっています。

最も多いものは帝王切開術(選択帝王切開)です。昨年度と比べて患者数が7件増加していました。
帝王切開術には選択帝王切開(前もって計画して行う)と緊急帝王切開(何らかのトラブルにより緊急で行う)の2パターンがあります。
選択帝王切開が適用される症例には、既往帝王切開後妊娠や児頭骨盤不均衡があります。
逆に、緊急帝王切開の場合は、妊娠高血圧症候群や胎児徐脈等が当てはまります。

次いで多いものは腹腔鏡下腟式子宮全摘術です。
昨年度は K877 子宮全摘術 が多くなっていましたが、令和4年度は腹腔鏡下腟式での手術が多くなっています。
子宮全摘術は、その名のとおり子宮を全て摘出する手術で、子宮筋腫や子宮内膜症に対して必要に応じて行われます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 18 0.39
異なる - -
・最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症である症例数を集計し、全入院患者に対する発生率を示しています。

※患者数が10未満の場合は、‐(ハイフン)で表示しています。

<播種性血管内凝固症候群>
本来出血箇所で生じるべき血液凝固反応が何らかの原因で高まり、全身の血管内で無秩序に起こる症候群のことです。
早期治療・早期発見が必要な重篤な状態であり、医療資源投入量も多くなります。

<敗血症>
例えば肺炎や腎盂腎炎など、体のある部分で感染症を起こしている場所から血液中に病原菌が入り込み、重篤な全身症状を引き起こす疾患です。
重篤な状態であり、医療資源投入量も多くなります。

<真菌症>
真菌による感染症のことです。体の抵抗力が弱ったときに起こる場合が多いです。

<手術・処置等の合併症>
手術・処置等の合併症には術後の出血、術後創部感染、カテーテル感染などが挙げられます。
合併症はどうしても一定の割合で起こりうるもので、医療ミスとは異なります。
臨床上ゼロにすることは困難ですが、細心の注意を払いより良い医療が出来るよう尽力しています。

手術・処置等の合併症では、ほとんどが入院の契機となった傷病と同一である症例数が多くなっています。
これは合併症を主訴として入院し、そのまま治療を受け退院したような場合を指します。
昨年度と比べて症例数は15件減となっていました。
更新履歴
令和5年9月27日
新規公開